「首痛」と「腰痛」の関係

「首痛」と「腰痛」の関係

首・腰 の両方を観る理由

人間が「まっすぐ立つ」為には 原則として
視線が重力線に対し直角な必要があります。
しかし人間は植物の様に その場に留まった
ままでは過ごせませんので、動く毎に視線と
重力線の交差角にブレが生じます。
それを小脳が感知して調整をかけて転倒せず
済んでいますが、その際バランスを取るのに
四肢の関節や胴体を一時的に歪ませる事で
対応します。
これが一時的でなく常となると痛みや痺れの
原因になるのですが、その歪みがほぼ毎回
現れるのが、頭部と胴体の境である首、
そして胴体の中心部である腰なのです。
だから痛くなるほど 腰に負担が掛かると
言う事は、同じ位 首にも掛かっている筈で
一方を見逃すと、快方に向かっていた
もう一方も不調が戻ってしまいがちです。
腰と首の関係は 同時に負荷が掛る
典型例ですが、それ以外にも その人の
体の使い癖によって腰と肘、首と股関節等
無関係に見える関節に問題解決の鍵が
隠れている場合が多いのです。

どのように影響を与えるか

①姿勢の悪化からのパターン

下の骨格図だが、右が問題のない姿勢、
左が問題含み(ストレートネック)の姿勢。
OA化が進み 業務中にPC等に顔を近付ける
現代人に非常に多いケースだが、まず顔を前に出す癖がつき(赤)
→自然と俯くので視線を上げる為(橙)
→顎を挙げる形になり(緑)首の☆の辺りに強い負荷がかかる。

悪い姿勢から重心が崩れ、腰と首に負担が掛かる説明図

→顔が前に出た事で頭骨の重みが、前転方向の力を生み出す為
それとバランスを取るべく骨盤が後傾する。
それで生まれた腰仙接合部への負担が 腰痛の元になる。

→また右下図のように良い姿勢だと、上手に積み木を積んだように
骨盤の上に胸郭が、その上に頭骨が乗るので安定する
=骨がズレないように力む必要がないが、
左下図のように頭骨が前に出ると、首部分にズレ力が発生し
それに対抗する為に頭骨を持ち上げる負担からくる疲労が
肩甲間部(青い囲み)にかかる。

X軸に関しての歪みはこのように発生する。


②捻じれからのパターン

下図の通り「骨盤」「頭骨」の動かないエリアに「脊柱」は挟まれており
そして脊柱も 肋骨が生えている「胸郭」部は やはりほとんど動かない。
従って どこも痛くない状態での 体幹部分の 捻じる動き&前後の動きの
ほとんどはで示した 首 と 腰の部分で生み出す事になる。

腰痛時に骨格を背面から見た際の、動きやすい場所、動きにくい場所

ここで寝違い等で 首が動きにくくなった場合
捻じり動作の多くを腰で行う事になる為 負担が集中してしまい
やがて疲労性腰痛が併発してしまう。
このようなケースでは、腰だけを施術してもすぐに再発する為
併せて震源地である首にも手を入れる必要がある。

Y軸に関しての歪みはこのように発生する。


③側屈からの側弯パターン(Z軸)

図の例では左肩に障害が発生し(赤)防御性の拘縮が現れる事で
頭部が左側に傾いた結果 重心軸も傾く。

背面から見た横方向の重心のずれから腰痛が起こる仕組み

バランスを取る為(緑)可動域の広い腰部の筋を緊張させる事で
結果として右側屈(側弯)が発生する。

Z軸に関しての歪みはこのように発生する。


以上典型的な 首と腰の障害の伝播の例を挙げましたが
「Z軸」等と書いてある通り実際の歪みは
更に3次元的に 、こんがらがった形で現われてきます。

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